最高の市販日本酒を選ぶ「SAKE COMPETITION」審査結果発表、2014年以来の2冠に輝いた「みむろ杉」

最高の市販日本酒を選ぶ「SAKE COMPETITION」審査結果発表、2014年以来の2冠に輝いた「みむろ杉」

■「審査員も審査される」独自の仕組みで、業界からの絶大な支持を獲得

日本酒のトレンドを牽引する、世界最大級の品評会「SAKE COMPETITION」
「消費者が本当においしい“市販酒”に出会うためのコンペティション」を理念に掲げ、2012年より東京の酒販店・はせがわ酒店が中心となり開催されています。

このコンペティションの大きな特徴は、審査の厳格さ。
先入観に左右されることなく、純粋に味のみで評価できるよう、銘柄を完全に隠したブラインドテイスティング方式を採用しています。

特筆すべきは、審査員もまた審査される立場にあること。評価の一貫性に欠けると判断された場合、翌年以降は審査員から外されることもあるそうです。それだけに毎年、審査結果には業界関係者が固唾を飲んで注目。上位入賞銘柄は売り上げが飛躍的に伸びることでも知られており、2026年には全国367蔵から1,139点が出品されました。

■「純米酒」「純米吟醸」の2部門制覇で会場を席巻

2026年6月10日、「SAKE COMPETITION 2026」の表彰式が東京のTAKANAWA GATEWAY CITYにて開催。美酒企画は今年もご招待を受け、取材に伺いました。

左より、MCを務めた国山ハセンさんと宇賀なつみさん

式には、蔵元を中心に約300名が出席。栄冠の行方を左右する結果発表の瞬間には、誰もが息をひそめて耳を傾け、会場全体が張り詰めた緊張感に包まれていました。

「みむろ杉」醸造元・今西酒造(奈良県)の今西 将之社長

今年の表彰式で圧倒的な存在感を示したのは、「みむろ杉」を醸す今西酒造(奈良県)
なんと、「純米酒部門」で「みむろ杉ろまんシリーズ Dio Abita(ディオアビータ)」が1位を獲得したのみならず、「純米吟醸部門」でも「みむろ杉ろまんシリーズ 純米吟醸 山田錦」も1位に輝いたのです。このコンペティションでの“二冠”は、2014年以来となる快挙とあって、会場からどよめきが起きました。

今西 将之(いまにし まさゆき)社長は、2011年に実家である今西酒造に入社。当時、巨額の負債で廃業の危機にあった会社を、高品質な純米酒づくりに注力することで再建したことで知られています。

ステージでは、「一緒に酒造りをしてくれた蔵人たちと喜びを分かち合いたい。日本酒造りには夢があります」と熱い胸の内を語りました。

■火災の知らせからわずか数日――笹正宗酒造の「純米酒部門」第2位に会場が沸く

左より、川敬商店(宮城県) 今西酒造(奈良県) 相原酒造(広島県) 木屋正酒造(三重県)

また、「純米大吟醸部門」では相原酒造(広島県)の「雨後の月 純米大吟醸」、「Super Premium部門」では木屋正酒造(三重県)の「而今特等雄町」、「モダンナチュラル部門」では川敬商店(宮城県)の「たちばなや 純米吟醸」が1位に選出されました。

川敬商店(宮城県)製造責任者 川名由倫(かわな ゆり)さん

「モダンナチュラル部門」とは、伝統製法である生酛/山廃/菩提酛のいずれかで造った日本酒が対象の部門です。「モダンナチュラル部門」とは、伝統製法である生酛/山廃/菩提酛のどれかで造った日本酒が対象の部門です。いずれも人工的な乳酸を加えずに自然の乳酸菌を活用するもので、手間と時間と技術が必要。しかし、独特のコクや旨味、酸味といった個性的な味わいを求めて、挑戦する酒蔵が増えています。
「たちばなや 純米吟醸」は、山廃仕込み。ふくよかな旨みと繊細な甘み、凛とした酸のバランスが秀逸です。

川敬商店の製造責任者を務める川名由倫(かわな ゆり)さん、「志半ばで他界した父と、支えてくれている母、そしてコツコツと酒造りに励んでくれている蔵人たちに感謝したい」と感極まった様子で話す姿が印象的でした。

入賞結果の発表で会場を大きく沸かせたのが、「純米酒部門」で第2位に輝いた笹正宗酒造(福島県)でした。実は同蔵は、表彰式のわずか9日前に火災に見舞われていたからです。酒蔵や倉庫など約3,000平方メートルが焼け、蔵に保管されていた約25,000本分の日本酒も焼失。さらに、酒造りに欠かせない道具類まで失うという壊滅的な被害を受けていました。

しかし、火災の翌日からは「福島を代表する銘醸蔵を再建したい」という支援の輪が急速に広がりました。福島県酒造組合が開設した再建支援募金口座には、想定を上回るペースで寄付が寄せられ、国内外から多くの励ましの声が届いています。海外からも支援に関する問い合わせが相次ぐなど、笹正宗酒造の再建を後押しする動きが広がっているそうです。

【笹正宗酒造 再建応援募金口座のご案内】

金融機関名:東邦銀行(銀行コード:0126)
支店名  :中町支店(店番号:105)
口座種別 :普通預金
口座番号 :0487473
口座名義 :福島県酒造組合(ふくしまけんしゅぞうくみあい)

※詳細はこちらにてご確認ください

表彰式を取材してあらためて感じたのは、「SAKE COMPETITION」が日本酒の“今”を映す鏡であるということです。酒質のトレンドや消費者の嗜好の変化が結果に反映される一方で、蔵元たちはその評価と真摯に向き合い、さらなる高みを目指します。受賞の喜びも、惜敗の悔しさも、すべては次の酒造りへとつながっていく――来年の頂点をめぐる戦いは、すでに始まっています。

【SAKE COMPETITION 2026 受賞酒(各部門1位/特別賞)】

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